介護保険外サービスとは?できること・料金と家族だけで回らないときの選び方

介護保険外サービスとは?家族だけで回らないときの選び方 介護サービス・暮らしの支援
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「通院に付き添ってほしい」「食事の準備を手伝ってほしい」。そう思っても、希望する内容のすべてを介護保険で頼めるとは限りません。どこまでが介護保険の対象で、どこから自費になるのか、家族だけで判断するのは難しいものです。

通院の付き添いや毎日の食事など、介護保険だけでは希望する支援のすべてを補えないことがあります。そこで選択肢に入ってくるのが、介護保険外サービスです。介護保険外サービスは、介護保険の代わりではありません。家族だけでは埋められない時間と用事を補う選択肢です。

この記事は、次の4つの順番で整理します。①介護保険内で調整できないか相談する ②足りない時間・作業・曜日を整理する ③不足部分だけ保険外を検討する ④対応範囲・料金・資格・補償・キャンセル条件を確認する。

私は福祉用具専門相談員として17年間、在宅訪問や退院前カンファレンスに関わってきました。保険外サービスを直接案内する立場ではありませんが、介護保険の線引きを超えた部分に自費サービスが使われる場面を見聞きしています。この記事では、その経験と公的情報を分けながら、本人・家族が検討する順番を整理します。
※この記事の執筆・確認:福祉グッズ探偵TOCHI

保険外サービスを検討する4つの順番。①介護保険内で調整できないか相談する②足りない時間・作業・曜日を整理する③不足部分だけ保険外を検討する④対応範囲・料金・資格・補償・キャンセル条件を確認する。

介護保険外サービスとは

介護保険外サービスとは、介護保険を使わず、利用する人が費用を負担して受けるサービスのことです。自費介護サービス、自費サービス、保険外サービスなどとも呼ばれます。呼び方は事業者によって違いますが、指しているものはほぼ同じです。

介護保険のサービスは、要介護度の区分ごとに使える上限が決まっていて、内容も制度で定められた範囲に限られます。その範囲に収まらない用事は、介護保険では頼めません。保険外サービスは、この収まらない部分を補うために使われます。介護認定を受けていない方や認定結果を待っている方でも、事業者の利用条件を満たせば利用できる場合があります。

よく使われているのは、次のような内容です。

  • 通院の付き添い、外出の同行
  • 掃除・洗濯・調理などの家事
  • 安否確認や見守り、話し相手
  • 買い物の代行や同行
  • 庭の手入れ、窓拭きなどの住まいの用事

大切なのは、保険外サービスが介護保険の置き換えではないという点です。介護保険で頼める部分は介護保険で頼み、そこに収まらない部分だけを保険外で補う。この関係を先に押さえておくと、あとの判断が進めやすくなります。

まず、介護保険内で調整できないか相談する

保険外サービスを探し始める前に、通る道があります。保険外サービスを探す前に、まず担当のケアマネジャーへ相談します。ケアマネジャーがいない場合は地域包括支援センターへ。介護保険や自治体の支援で補えないかを先に確認します。

地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。厚生労働省は、地域の高齢者の総合相談や権利擁護などを行う中核的な機関として市町村が設置していると説明しています(厚生労働省「地域包括ケアシステム」)。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などが配置され、住民の相談を幅広く受け付けて制度をまたいだ支援を行い、必要なサービスにつなぐ役割を持ちます(厚生労働省「地域包括支援センターの業務」)。介護認定を受けていない段階でも相談できます。

相談する場では、次のような点を確認します。

  • 今のサービスの内容や回数を変えられないか
  • 別の種類の介護保険サービスで補えないか
  • 福祉用具や住まいの環境を整えることで、手を借りる量そのものを減らせないか
  • 自治体が独自に行っている支援や、地域の助け合いの仕組みがないか

最初から保険外サービスだけで解決しようとすると、介護保険で頼めたはずの部分まで自費で買うことになりかねません。まず制度の中を見る。ここを飛ばさないでください。

家族だけで回らない部分を切り出す

制度の中で調整しても、それでも手が足りない部分が残ることがあります。次にすることは、その残った部分の形をはっきりさせることです。足りない部分は、「何を・いつ・1回どのくらい・どのくらいの頻度で」に分けて整理します。

事業者に相談するときも、家族で分担を決め直すときも、この単位で話が進みます。

  • 何を(作業内容)……通院の付き添い、調理、掃除、見守りなど、具体的な用事に分けます
  • いつ(時間・曜日)……平日の夕方なのか、土曜の午前なのか
  • 1回どのくらい(長さ)……30分で足りるのか、通院のように半日かかるのか
  • どのくらいの頻度で……毎週続くのか、退院直後など一時的なのか、急な用事のときだけなのか

頻度を分けておくと、検討の方向が変わります。毎週続くことなら介護保険の見直しや家族の分担を考える余地があり、一時的なことならその期間だけ手を借りる形で足ります。そのうえで、家族ができることと外へ任せたいことを分けます。

私自身が保険外サービスを案内する立場ではありませんが、退院前カンファレンスなどでは、介護保険で対応できない部分について、ケアマネジャーが自費サービスを案内する場面を見聞きしてきました。たとえば、通院時に院内で継続して付き添ってほしい場合や、本人だけでなく同居家族の食事まで作ってほしい場合など、希望する支援の一部が介護保険の対象から外れることがあります。

ただし、これらが一律に介護保険の対象外というわけではありません。院内での介助について、厚生労働省の通知(老企第36号)は、通院・外出介助を「居宅において行われる目的地(病院等)に行くための準備を含む一連のサービス行為とみなし得る」として認める一方、院内の移動等の介助「だけをもってして訪問介護として算定することはできない」と整理しています(厚生労働省「実施上の留意事項について」(老企第36号))。自治体の手引きでも、可否は本人の心身の状態や介護者の有無で異なるため「一律に判断することはできません」とされています(和歌山市「ケアマネジメント支援マニュアル」)。どこまで頼めるかは、ケアマネジャーや市町村に確認します。

保険外を考えるのは、調整しても残った部分。①希望する支援の全体②まず介護保険・自治体の支援などで調整できる部分③それでも残る不足。内容・時間・曜日・頻度を整理し、必要なら保険外を検討。

保険外サービスで頼めること・頼めないこと

整理ができたら、その不足部分を保険外サービスで補えるかを見ます。保険外サービスは、整理した不足部分だけを補うために検討します。ただし、保険外なら何でも頼めるわけではなく、対応できる内容は事業者ごとに異なります。

保険外サービスでよく扱われているのは、外出や旅行の同行、冠婚葬祭の付き添い、家事全般、見守りや安否確認、庭の手入れや窓拭きといった内容です。

このうち見守りは、機器を使うものからサービスとして人が確認するものまで幅があり、介護保険で借りられる範囲と自費の部分が入り組んでいます。離れて暮らす親の様子を知りたい場合の考え方は、離れて暮らす親の見守りサービスの選び方|センサー・GPS・カメラ・駆けつけの違いにまとめました。

一方で、頼めるかどうかが分かれる場面もあります。分かれ方は、次の3つに整理すると見通しがよくなります。

① 法律・資格・事業の体制によって条件がある行為

医療にあたる行為のように、行う人の資格や事業者側の体制が前提になるものがあります。複数の事業者の公開案内と利用契約書を確認した範囲では、医療・看護の行為、爪切り、マッサージなどを対象外と明記している例がありました。送迎も、道路運送法にもとづく許可や登録が関わります。

② 事業者の方針や設備によって対応が分かれる行為

同じ依頼でも、受ける事業者と受けない事業者があります。入浴の介助や長時間の付き添いは、体制が整っているかどうかで答えが変わります。公開案内を確認した範囲では、長時間になる場合に本人・家族・ケアマネジャーと事業者で協議して契約金額を決める例がありました。

③ 時間帯・地域・体の状態・安全面によって断られる場合

対応できる地域の外だったり、深夜の時間帯だったり、その日の体の状態から安全に行えないと判断されたりした場合は、受けられないことがあります。断られても事業者の方針や体制によるもので、別の事業者では対応できる場合もあります。

もうひとつ知っておきたいのが、介護保険と保険外を組み合わせるときの決まりです。厚生労働省の通知では、「利用者本人分の料理と同居家族分の料理を同時に調理するといった、訪問介護と保険外サービスを同時一体的に提供することは認めない」とされています。一方で、訪問介護の前後や合間に、同居家族の部屋の掃除や買い物といった保険外のサービスを提供することは可能とされています(厚生労働省「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」)。同じ通知は事業者側にも、保険外サービスの運営方針や利用料を別に定めること、利用者の同意を得ること、費用を分けて請求し会計を区分することを求めています。同じ事業者に続けて頼む場合でも、契約と料金は別のものとして扱われます。

料金はどこまで含めて確認するか

保険外サービスは全額が自己負担です。ただ、時間あたりの単価だけを見比べても、実際に支払う金額は分かりません。料金がどの項目でできているかを知っておくと、見積もりを読み解けます。

確認しておきたいのは、次の項目です。

  • 基本料金……何分単位で計算されるか。30分単位、1時間単位など事業者で異なります
  • 最低利用時間……「1時間から」のように下限が決まっていることがあります
  • 延長料金……予定を超えたときに、何分刻みでいくら加算されるか
  • 時間帯による料金……早朝・夜間・深夜で基本料金に一定の割合を乗せる形が多く見られます
  • 休日の料金……土日祝日の扱いが分かれるため、利用したい曜日で確認します
  • 交通費……事業所からの距離に応じた負担のほか、外出に同行した際の公共交通機関の運賃や施設の入場料を実費で負担する形もあります
  • キャンセル料金……いつまでの連絡なら無料か。「前日の午後5時まで」のように基準を定めている契約があります
  • 介助内容による追加料金……依頼の内容によって単価が変わる場合があります
  • 消費税……表示金額が税込か税別かで、総額が変わります

このうち、キャンセルの条件や損害賠償の扱いは、料金表には載っていないことがあります。利用契約書ではじめて分かることもあるため、契約書と重要事項説明書に目を通してから決めてください。

なお、費用と税金の関係について、ひとつ注意点があります。保険外サービスの費用が、すべて医療費控除の対象になるわけではありません。対象になるかはサービス内容や利用条件で異なるため、領収書の記載を確認し、不明な場合は税務署などへ確認してください(国税庁「No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価」)。

事業者を選ぶときの確認ポイント

候補が見つかったら、比べ方をそろえます。事業者を比べるときは、対応範囲、料金総額、担当者の資格・経験、事故時の補償、キャンセル条件を同じ項目で確認します。案内の書き方は事業者ごとに違うため、同じ項目で並べないと比べたことになりません。

確認したいのは、次の8点です。

  • 希望する内容に対応できるか……整理した「何を・いつ・どのくらい」をそのまま伝えて、できるかを聞きます
  • 対応地域と対応できる時間帯……住まいが範囲に入っているか。困っている時間帯に来られるか
  • 担当者の資格と経験……介護の資格の有無、どのくらいの経験があるか
  • 緊急時の連絡体制……訪問中に体調が変わったとき、誰にどう連絡が入るか
  • 事故や破損があったときの補償……損害賠償の定めがあるか、保険に加入しているか
  • キャンセル・変更の条件……いつまでの連絡で無料か。急な入院などの扱いはどうなるか
  • 担当者が固定されるか……毎回変わるのか、同じ人が来るのか
  • 契約前に総額を確認できるか……交通費や加算まで含めた見積もりを、契約前に出してもらえるか

聞きにくく感じるかもしれませんが、これらは契約前に確かめておく項目です。書面で示してもらえない場合は、その場で決めずに持ち帰ってください。迷うときは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してから決めることもできます。

保険外サービスを使わずに解決できる場合もある

契約に進む前に、もう一度だけ確かめたい道があります。保険外サービスを契約しなくても、困りごとが小さくなる場合があるためです。

  • 介護保険のサービスの内容や回数を調整できないか、あらためてケアマネジャーに相談する
  • 福祉用具や住まいの環境を整えることで、手を借りる量そのものを減らせないか考える(手すりの付け場所排泄の困りごと
  • 自治体や地域の支援に、使える仕組みがないかを確認する
  • 一時的な困りごとであれば、その期間だけ家族の分担を見直す
  • 料金や条件が合わなければ、契約しないという判断をする

福祉用具の側から見ていると、手すりを一本足す、立ち座りのしやすい椅子に替えるといった環境の調整で、必要な介助の量が変わる場面があります。人の手で補う前に、環境で減らせないかを見る。これは私が17年、在宅のお宅で見てきた順番です。

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1時間から利用できます

定期・スポットの料金と、お住まいの地域が対象かを公式サイトで確認できます。

クラウドケアの料金・対応地域を確認する

登録前に、料金表と対象市区町村を確認できます。

クラウドケアは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・京都府・兵庫県の一部地域に対応しています。地域内でも対象外の市区町村があるため、料金・利用条件とあわせて公式サイトでご確認ください。

対象地域外の場合や、どの支援を頼めばよいか迷う場合は、担当のケアマネジャーまたは地域包括支援センターへ相談してください。

まとめ|不足している部分を整理してから相談する

保険外サービスは、探すことから始めると迷います。順番は、①まず介護保険内で調整できないかをケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、②それでも足りない時間・作業・曜日を整理し、③その不足部分だけ保険外を検討して、④対応範囲・料金・資格・補償・キャンセル条件を確認する、という流れです。

この順番で進めると、頼む内容がはっきりし、見積もりも比べられる形になります。何を頼みたいのかが定まらないまま問い合わせても、答えは返ってきません。まず、家の中で何が足りていないかを書き出すところからです。

むぎ
むぎ道具の話じゃないのに、探偵TOCHIが調べてるのはめずらしいワン。
探偵TOCHI
TOCHIそうだね、むぎちゃん。でも入り口は同じなんだ。何に困っているかを分けてからでないと、道具もサービスも決まらない。順番を間違えなければ、必要な分だけ手を借りられるよ。
調査結果:保険外サービスを検討する順番。保険外を探す前に、まずケアマネジャーへ相談する。足りない部分は何を・いつ・どのくらいの頻度でに分けて整理する。整理した不足部分だけを保険外で補う。事業者は対応範囲・料金総額・資格・補償・キャンセル条件を同じ項目で比べる。

出典(2026年8月11日確認)
厚生労働省「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」(平成30年9月28日)
厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準…の制定に伴う実施上の留意事項について」(老企第36号)
和歌山市「ケアマネジメント支援マニュアル~訪問介護における院内介助について~」
厚生労働省「地域包括ケアシステム」
厚生労働省「地域包括支援センターの業務」
国税庁「No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価」

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