

📋 この記事でわかること
✔ バス事業者5社の案内で確認できた道具と、歩行器についての調査結果
✔ 折りたたんだ歩行器で、乗る前に確かめたい重さと形
✔ 事業者へ問い合わせるときに伝えること
✔ 介護保険で借りている場合の相談先

バス事業者の公表資料で「歩行器」は確認できなかった

今回、路線バスを運行する5つの事業者が公表している手回り品の案内を確認しました。
バス事業者が公表している無料手回り品の基準は、確認できた5社でおおむね「重さ10kgまで・容積0.027立方メートルまで・長さ1メートルまで」でした。ただし、この5社の公表資料では、歩行器や歩行車を持ち込めるかどうかを確認できませんでした。車いすやショッピングカーについては書いてある事業者があるのに、歩行器についての記述が見つかりませんでした。
基準の書き方も、事業者によって少しずつ違いました。重さの基準は確認できず、大きさを寸法の例で示している事業者もあります。
確認した5社の案内で、名前が出てくる道具と出てこない道具を並べると、次のとおりです。

| 道具 | 5社の案内での扱い |
|---|---|
| 車いす | 小田急バス/北九州市交通局/高槻市交通部/防長交通/西日本鉄道 |
| ショッピングカー | 北九州市交通局/西日本鉄道 |
| ベビーカー | 小田急バス/北九州市交通局/高槻市交通部/西日本鉄道 |
| 歩行器・歩行車・シルバーカー | 5社とも確認できず |
表の「名前が出てくる」には、手回り品の案内に書かれている場合と、車いすやベビーカーでの乗車方法の案内に書かれている場合の両方を含みます。

2026年9月28日時点・各社の公式ページで確認
出典(確認日:2026年9月28日)
- 小田急バス「路線バス内に持ち込める手回り品について」「路線バス利用時のベビーカー・車椅子について」
- 北九州市交通局「手回品について」
- 高槻市営バス(高槻市交通部)「車内に持ち込める手荷物について」「車いすでのご利用について」「ベビーカーをご利用のお客様へ」
- 防長交通「ご利用案内」(車椅子の利用・手荷物・自転車・ペット)
- 西日本鉄道「お手回り品について」
確認すること①:折りたたんだときの重さを、安全に扱えるか

📝 現場より
店頭では、バスや電車の話が出たとき、まず「折りたたんだものをご自身で持ち上げられますか」と確認していました。実際に持ち上げてもらったこともあります。買ったあとで持ち上げられないと分かると、そのために買ったはずの外出ができなくなるからです。
「重くて持ち上げられなかった」こともあった
店頭では「重くて持ち上げられなかった」ことがありました。歩行器を使っている時点で体のバランスが取りにくくなっていることが多く、無理に持ち上げようとすること自体が危ないためです。バスを使って出かける方は要支援など比較的お元気な方が多く、その場合は軽いものであれば持ち上げられることもあります。無理に持ち上げるのではなく、ご自身で安全に扱える重さかどうかを確認してください。

これはシルバーカーの事例ですが、公益財団法人テクノエイド協会の「福祉用具『事故・ヒヤリハット』情報」には、折りたたんだシルバーカーを抱えてバスに乗ろうとしたところ、十分に持ち上がらず、つまずいて転倒しそうになったという事例が載っています。
(出典:公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具『事故・ヒヤリハット』情報」事例72・確認日:2026年9月27日)
シルバーカーでバスに乗る場合のことは、シルバーカーでバスに乗る場合で別にまとめています。
確認すること②:たたんだあと自立するか
折りたたんだときに自立する型と、しない型があります。外出を想定した歩行車は自立する形が多く、ピックアップ歩行器のように折りたたむと自立しない型もあります。自立するかどうかは、店頭で実際にたたんでみると確かめられます。

たたんだあと、本人は何につかまるか
バスに乗るときは、歩行器をたたむことが多くなります。たたむと、体を支えていたものが手元から離れます。乗車中に何につかまるのか、降りたあとどこでまた広げるのか。持ち込めるかどうかと同じくらい、そこを先に考えておいてください。

確認すること③:乗る路線の事業者に聞く
確実なのは、乗る前にその路線の事業者へ確認することです。問い合わせるときは、「折りたたんだ大きさ(幅・奥行・高さ)」と「重さ」、そして「たたんだ状態で自立するかどうか」を伝えると話が早く進みます。
- 折りたたんだ大きさ(幅・奥行・高さ)
- 重さ
- たたんだ状態で自立するかどうか
バスのステップと段差
バスのステップは低床のものもありますが、すべてがそうとは限りません。玄関の段差や、庭・通路の石畳なども同じで、越えられるかどうかは実際に使ってみないと分からないところがあります。

介護保険でレンタルしている場合
制度の面では、厚生労働省は、歩行器を介護保険の福祉用具貸与(レンタル)の対象種目として案内しています。また、「手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ以外の種目については、要支援及び要介護1の方は、原則給付の対象外となります。」と案内しています。
令和6年4月からは、一部の用具でレンタルと購入を選べる仕組み(選択制)が始まっています。厚生労働省の案内では、その対象は「歩行器(歩行車は除く)」とされています。選択制では「歩行車」が対象から除かれているため、お使いのものが対象になるか分からない場合は、担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員に確認してください。
(出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000212398.html ・確認日:2026年9月27日)

レンタル品を壊してしまったときの扱いは、事業者や契約によって異なります。店頭では「故意でなければ無償で交換、故意の破損や盗難は弁償の対象になる」という形で説明していましたが、契約書の内容を確認してください。
いま使っている歩行器が外出に向いていないと感じたら、買い替えを考える前に、担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談してください。介護保険で借りている場合、機種の変更で対応できることがあります。

「どこへ行くために使うか」から考える
📝 現場より
店頭で歩行器の相談を受けたとき、まず聞いていたのは「どこに行くときに使いますか」でした。室内だけなのか、外でも使うのか。外で使うなら、買い物なのか、それとも歩いて出て、途中で座りたいのか。使う場面によって、選ぶものが変わるからです。
歩行器と歩行車の種類の違いは、歩行器の種類と選び方にまとめています。

まとめ
➡ 次に取る行動
歩行器のほかに車いすも考える場合は、種類の違いをこちらにまとめています。どちらを使うかは、担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員と一緒に確かめてください。
| 確認すること | 見るところ |
|---|---|
| ①安全に扱える重さか | 折りたたんだときの重さを確かめる。無理に持ち上げない |
| ②自立するか | たたんだ状態で立つかどうかは型によって違う。店頭でたたんでみる |
| ③事業者へ | 折りたたんだ大きさ・重さ・自立するかを伝えて聞く |
| ④たたんだあと | 乗車中に何につかまるか、降りたあとどこで広げるかを先に考えておく |
📝 現場より
店頭でよくあったのは、ご家族が心配して用意したけれど、使うご本人が「必要ない」と思っている場合です。そうなると、だんだん使われなくなります。

バスに乗せられるかどうかを調べて、大きさも重さも確認して、事業者にも聞いた。それでも最後に残るのは、ご本人が使いたいかどうかです。使う頻度はそこで変わります。段取りを整えるのと同じくらい、本人がどこへ行きたいのかを聞いておいてください。
出典一覧
- 小田急バス「路線バス内に持ち込める手回り品について」(確認日:2026年9月28日)
- 小田急バス「路線バス利用時のベビーカー・車椅子について」(確認日:2026年9月28日)
- 北九州市交通局「手回品について」(確認日:2026年9月28日)
- 高槻市営バス 手回り品の案内(確認日:2026年9月28日)
- 高槻市営バス「車いすでのご利用について」(確認日:2026年9月28日)
- 高槻市営バス「ベビーカーをご利用のお客様へ」(確認日:2026年9月28日)
- 防長交通「ご利用案内」(路線バス)(確認日:2026年9月28日)
- 西日本鉄道「お手回り品について」(確認日:2026年9月28日)
- テクノエイド協会「福祉用具『事故・ヒヤリハット』情報」事例72(確認日:2026年9月27日)
- 厚生労働省「福祉用具・住宅改修」(確認日:2026年9月27日)


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