介護用ワイヤレスチャイムはどれ?XP710A・XPN710Aと増設の違い

介護用ワイヤレスチャイムはどれ?のアイキャッチ 見守り・呼び出し機器
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寝室のベッドから、リビングにいる家族を呼んでもらいたい。お風呂で何かあったときに、本人から知らせてもらえるようにしたい。——介護でワイヤレスチャイムを探し始める理由は、たいていこのどちらかです。ところが調べ始めると、XP710A、XPN710A、LCW600……と似た型番が並び、どれを選べばいいのか分からなくなります。この記事では、福祉用具専門相談員として17年間売り場に立ってきた経験と、メーカー公式カタログで確認した仕様を使って、型番・シリーズ・増設の違いと、使う前に確認しておきたいことを順番に整理します。

📋 この記事でわかること

✔ 押しボタン式と人感センサー式の違いと、この記事が扱う範囲

✔ XP710AとXPN710Aの違い、増設できるシリーズ・できないシリーズ

✔ TOCHIが実際に扱っていた機種と、呼び出しチャイムでは間に合わない場合の考え方

先に結論

先に結論をいうと、本人がボタンを押せて、浴室用にも寝室用にも使える型を探しているなら、防水型のXP710Aが候補になります。XPN710Aは同等品です。TOCHIもこの防水型を浴室と寝室で使っていました。複数の場所へ設置する場合は、必要な送信機と受信機の数も確認してください。

むぎ呼び出しチャイムって、玄関のピンポンと何が違うんだワン?
TOCHI仕組みは近いんだけど、介護で使うときは「誰が押すか」が逆なんだ。玄関はお客さんが押す。介護では、本人が家族を呼ぶために押す。だからまず、本人がボタンを押せる状態かから話すね。

本人がボタンを押せる状態か|呼び出しボタンの前提

ワイヤレスチャイムの送信機には、大きく2つのタイプがあります。押しボタンと人感センサーです。

押しボタンは、本人が誰かを呼びたいときに押すものです。つまり、そこには「呼びたい」という自分の意思があります。一方、人感センサーは、意思とは関係なく、人が通ったら鳴る仕組みです。同じ「チャイム」でも、この2つは役割がまったく違います。

この記事で扱うのは、押しボタンの話です。本人に「呼びたい」という意思があり、ボタンを押す動作ができる——それが、呼び出しチャイムを使う前提になります。人が通ったことを家族側が知る仕組み(人感センサーやカメラなど)は、呼び出しではなく見守りの領域なので、この記事の最後で境界線だけ整理します。

ですから最初の確認点は、機種選びの前にあります。ボタンを押す指の力があるか。「ここを押せば家族が来てくれる」と本人が覚えていられるか。ボタンの置き場所に手が届くか。このどれかに不安がある場合、チャイムを買っても使われないことがあります。まず本人の状態から確認してください。

押しボタンと人感センサーの違いを示す図解
離れた部屋の家族を呼びたいと困っている高齢女性のイラスト

どこから呼び、どこで受けるか

次に決めるのは場所です。呼び出しチャイムは、送信機(押しボタン)と受信機(チャイム)のセットでできています。「本人がどこから呼ぶか」に送信機を置き、「家族がどこで気づくか」に受信機を置く。この2点が決まると、必要な台数と機種の条件が見えてきます。

組み合わせの例を挙げます。寝室のベッドから、リビングにいる家族を呼ぶ。浴室から、台所にいる家族を呼ぶ。トイレから呼ぶ。2階の部屋から1階へ呼ぶ。それぞれ、送信機を置く場所の環境が違います。

特に浴室で使いたい場合は、送信機が水のかかる場所に対応しているかを確認します。たとえばXP710Aの押しボタン送信機は防水型で、メーカー公式カタログに「屋外や浴室など、水のかかる場所でも使用できます」と記載されています(受信機は室内専用です)。入浴中に毎回使うものではなくても、「何かあったときに本人から呼べる」ことが安心につながる場面があります。使用場所は防水性能や設置条件を確認したうえで決めます。

📝 現場より

売り場でお風呂場用の呼び出しボタンをお出しするとき、それは毎日使うためのものではありませんでした。「立ち上がれなくなったら」「のぼせて危なくなったら」——そのときのための、お守り代わりです。実際には、寝室のベッドから、リビングにいる家族を呼ぶために使う場面もよくありました。どの部屋とどの部屋をつなぐか、ご家族と間取りを思い浮かべながら決めていました。

電波が届くかも、この段階で考えます。XP710Aの公式仕様では、電波は屋外の障害物のない場所で最大180mですが、建物の中では到達距離が短くなると明記されています。鉄筋の建物や階をまたぐ場合は短くなることがあるため、設置したい2点間で実際に鳴るかを、使い始めに確認してください。

機能の話に入る前に、順番をひとつだけ。たくさんの機能より、本人が迷わず押せて、家族側で確実に気づけることが先です。そのうえで、型番の違いを見ていきます。

送信機と受信機の置き場所を示す図解
設置場所の考え方を案内するTOCHIのイラスト

リーベックスのワイヤレスチャイム|型番・シリーズ・増設の違い

介護用の呼び出しチャイムで流通量が多いのは、リーベックス(REVEX・ナカバヤシ株式会社のブランド)のワイヤレスチャイムです。型番が多く見えますが、シリーズで整理すると3つに分かれます。

XPシリーズ・LCWシリーズ・Xシリーズの関係を示す図解

シリーズの整理

シリーズ増設状況
XPシリーズ送信機・受信機とも何台でも増設できる2026年9月時点で掲載を確認
LCWシリーズ増設できない2026年9月時点で掲載を確認
Xシリーズ—全機種販売終了

XPシリーズ(XP710Aなど)——介護用の基本です。送信機・受信機を選んで組み合わせます。あとから部屋を増やす可能性があるなら、これを選びます。

LCWシリーズ(LCW600・LCW700など)——設定不要のお手軽セットです。1か所から呼んで1か所で受ける使い方のまま続けるなら、候補になります。

Xシリーズ(X810など)——XPシリーズの前身です。新規購入では選ばず、後継のXPシリーズから選びます。

この表を前提に、検索されることの多い疑問へ順番に答えます。

① XP710AとXPN710Aの違い——結論は「同じ商品」です。なお、同一品でもパッケージが異なるため、JANコードは型番ごとに別番号です(XP710A=4943125710521/XPN710A=4943125711153)。パッケージの違いだけなので、XPN710Aを別の新型と考えて探し直す必要はありません。

2025年3月時点の公式ページには「※XP型番(ブリスターパッケージ)とXPN型番(箱入り)は同一品です。」と記載されていました。2026年9月20日現在の公式サイトとカタログでは、XPN型番についての記載を確認できませんでした。販売店によっては箱入りのXPN710Aとして売られています。型番の末尾が違っても中身は同じものとして案内されてきましたが、購入前にパッケージの表示と型番を確認してください。

② 増設できるシリーズ・できないシリーズ——XPシリーズは、公式カタログに「送信機、受信機とも何台でも増設できます」と記載されています。寝室と浴室の2か所に押しボタンを置く、1階と2階の両方で受ける、といった構成が後からでも組めます。一方、LCWシリーズは増設できません。公式カタログの記載を引用します。

ちょっとチャイムが欲しい時のお手軽セット。設定不要でそのまま使えます。送信機は「押しボタン」か「人感センサー」があります。※送信機・受信機の増設はできません。

出典:REVEX「ワイヤレスチャイム LCWシリーズカタログ」(一時停止前の公式サイト掲載内容・2026年8月28日にInternet Archive保存版で確認)

「1か所から呼んで1か所で受ける」が今後も変わらないならLCWシリーズでも足ります。ただ、介護では「浴室にもボタンを増やしたい」「家族の居場所が変わるので受信機を足したい」と、あとから構成が変わることがあります。あとから部屋を増やす可能性があるなら、増設できるシリーズ(XPシリーズ)を選びます。

一方、あとから増設する予定がなく、電池交換を避けたい場合は、送信機・受信機を増設できない代わりに、電池不要で使えるLCW700も候補になります。

③ 送信機と受信機の組み合わせ——XPシリーズは、セット品のほかに単品も売られています。増設用の受信チャイム(XP700・XP700M)を買い足せば、同じ押しボタンからの呼び出しを複数の部屋で受けられます。送信機を増やす場合は、送信機ごとに違うチャイム音を割り当てられるので、どの場所からの呼び出しかを音で区別できます。また、携帯できる受信機(XP310A)や、どの送信機から呼ばれたかを番号で表示する受信機(XP1910E)もカタログ上の選択肢にあります。いずれも同じXPシリーズ内で組み合わせる前提です(LCWシリーズとの互換性はありません)。

④ 電池が必要か——XP710Aは、送信機がコイン型リチウム電池(CR2032×2個)、受信機が単3形アルカリ電池3本または別売ACアダプターです。電池切れのとき、チャイムは鳴りません。電池交換を家族が行えるかを確認します。難しい場合は、電池がいらないタイプ(LCW700)という選択肢もあります。送信機が発電式・受信機がコンセント式で、電池切れの心配がない代わりに、増設はできず、送信機の設置場所は屋内または屋外の軒下までです(浴室対応の記載はありません)。

⑤ LCW600との違い——LCW600は「ワイヤレス人感チャイム」で、ボタンを押すのではなく、人が通ると反応する商品です。人や動物を感知すると離れた場所へ知らせる仕組みで、1対1の専用(増設不可)、XPシリーズとの互換性もありません。「本人が押して呼ぶ」というこの記事の用途とは役割が違います。なお、LCW600はTOCHIが扱った経験のある機種ではありません。

⑥ 現行品か販売終了品か——Xシリーズ(X810・X810Rなど)は全機種が販売終了です。公式サイトの生産終了品一覧には、X810・X10・X800の後継品番としてXP710Aが記載されています。ただし、生産終了品のすべてに後継の記載があるわけではありません。中古やフリマでXシリーズを見かけても、これから買い足しや増設をしていく前提なら、現行のXPシリーズから選んでください。

この章の型番・仕様と、販売終了・後継機種の記載は、一時停止前の公式ページの保存版(Internet Archive・2025年1月〜2026年4月時点)で確認しています。XP・LCWシリーズの流通状況は、2026年8月29日に複数の販売ページで確認しました。

型番の違いの確認ポイントを示すTOCHIのイラスト

TOCHIが実際に扱っていた機種

私が実際の提案で扱った経験があるのは、XPシリーズと「おうちでコール2」です。「おうちでコール2」は、先輩から「シンプルで使いやすい」と聞いたことをきっかけに使っていました。ただし、複数機種を比較して最も優れていると判断したものではありません。

XPシリーズの中で基本になるのはXP710Aでした。防水型の押しボタン送信機と受信チャイムのセットで、浴室にも寝室にも置けて、あとから増設もできる。呼び出しチャイムのご相談では、大体これを出すことが多かったです。

「おうちでコール2」(XP1710B-25)は、押しボタン送信機2台と受信機1台、ACアダプターがはじめからセットになった家庭向けの構成です。どこから呼ばれたかをランプの色で見分けられます。

📝 現場より

実際には、ご本人の状態を見ながら、カタログを一緒に開いて選んでいました。呼び出しチャイムは、そんなに多く取り扱いのある商品ではなかったのです。音ではなくライトで知らせるタイプは耳の遠い方向けの選択肢ですが、私が実際にお出ししたのは1件だけでした。選択肢としてはあるけれど、実際にはほとんど出ない——それが売り場の実感です。

「結局どれがおすすめですか」と聞かれたら、こう答えます。一律のおすすめは決められません。ただし、本人が押せて、浴室でも使い、あとから増設する可能性がある場合は、TOCHIが実際に扱っていたXP710Aが候補になります。XPN710Aは同等品です。増設しない場合は、電池不要タイプも含めて選びます。

🟩 TOCHIの判断ポイント|機種より先に確認すること

まず見る:本人がボタンを押せる状態か。どこから呼び、どこで受けるか

なぜ:機能がいくら多くても、本人が押せない・家族が気づけない配置では役に立たないため

どうする:押せる状態と場所を先に決め、増設・電源・使用場所の条件で型番を絞る。設置したら実際に鳴るかを確認する

売り場での提案の様子を案内するむぎのイラスト

呼び出しチャイムでは間に合わない場合

最後に、呼び出しチャイムの限界の話をします。呼び出しチャイムは、本人が「呼ぼう」と思って押せることが前提の道具です。裏を返すと、本人が転倒する前にボタンを押せない可能性がある場合——たとえば、ふらつきが強くなっていて倒れるときは一瞬で倒れてしまう、あるいは認知機能の低下でボタンの存在を思い出せない場合——は、押しボタンでは間に合わないことがあります。

呼び出しチャイムは連絡・報知用の機器です。転倒や事故を防いだり、救助を保証したりするものではありません。

本人が押せない場合は、動きを感知する機器や、介護保険で借りられる機器が選択肢になります。ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談してください。

そこから先は、本人の操作に頼らない仕組み——センサーなどの見守り機器の領域です。何を使うかは「いつ知りたいか」から考える必要があり、話が変わるので、別の記事で整理します。

センサーが鳴っても家族がすぐに対応できない時間がある場合は、機器だけでなく、離れて暮らす家族を支える見守りサービスも含めて考える必要があります。家族だけで見守りを続けるのが難しいときの選択肢は、離れて暮らす親の見守りサービスの選び方で整理しています。

どちらの段階なのか判断に迷うときは、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。本人の状態をふまえて、呼び出しで足りるのか、見守りが要るのかを一緒に整理してもらえます。

相談を案内するTOCHIのイラスト
調査結果カード:介護用ワイヤレスチャイム

まとめ

介護用のワイヤレスチャイムは、型番の数に比べて、選ぶときに見る点は多くありません。順番に確認していけば絞れます。

✅ まとめチェックリスト

✔ 本人がボタンを押せる状態か(指の力・覚えていられるか・手が届くか)

✔ どこから呼び、どこで受けるか(浴室なら防水型送信機・受信機は室内)

✔ 増設の可能性があるか(あるならXPシリーズ・LCWシリーズは増設不可)

✔ 電源の管理ができるか(電池交換が難しいなら電池がいらないタイプも)

✔ 現行品か(Xシリーズは販売終了・後継はXPシリーズ)

✔ 設置したら、実際にその2点間で鳴るかを確認したか

結論はこうです。本人がボタンを押せるなら、増設・電源・使用場所の条件で呼び出しチャイムを選ぶ。押せない可能性があるなら、呼び出しチャイムではなく見守りの機器へ進む。そして、押せない可能性が出てきたら、それは切り替えを考えるサインです。迷ったら、ケアマネジャーや地域包括支援センターへ。道具の前に、今の状態を確認するところからです。

出典・参考(2026年8月28日確認/2026年9月20日再確認)

  • REVEX(リーベックス・ナカバヤシ株式会社)公式サイト:防水型押しボタン呼び出しチャイムセット XP710A・XP10A・XP700/ワイヤレスチャイム LCWシリーズカタログ/ワイヤレス人感チャイム LCW600/電池がいらないワイヤレスチャイム LCW700/ワイヤレスチャイム Xシリーズ一覧 ※REVEX公式サイト(revex.jp)は2026年7月から一時停止していましたが、2026年9月20日に表示を確認しました。本記事の型番・仕様は、停止前の公式ページの保存版(Internet Archive)と、復旧後の公式ページ・カタログの両方で確認しています。
  • リーベックス「おうちでコール2」(XP1710B-25):介護用品取扱店の商品情報(2026年8月28日確認)

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