



🕵️ TOCHI現場メモ
売り場で受けたご相談で覚えているのは、尿や泥、食べこぼしが混ざった汚れをどう落とせばいいか、というものです。この記事では、そのとき私がお伝えしていた洗い方と乾かし方を、汚れの種類ごとにまとめています。
⏱️ まず確認:今夜やること早見表
🧺 今夜の負担を減らすなら、まずこの3つ
汚れた介護シューズを今夜中に整えるなら、まずは洗濯ネット・クエン酸・乾燥を助ける道具を確認しておくと安心です。
Amazonで靴用洗濯ネットを見るAmazonでクエン酸を見るAmazonで靴乾燥機を見る【今夜の負担を少しでも減らす】泥・失禁で汚れた介護靴を「洗濯機」で洗う手順と注意点
取扱説明書の「ぬるま湯で手洗い」と、日々の介護負担のバランス
大前提として、メーカーが推奨しているのはぬるま湯での手洗いであることが多いんだ。素材を傷めず、いちばん靴にやさしいやり方さ。
とはいえ、夜にクタクタで帰ってきて、洗面所で1足ずつ手洗いする心の余裕がない日もあるよな。そんなときの「妥協のベター策」として、洗濯機を活用する方法を見ていこう。
🔍 洗濯機に入れる前のチェック
表示に従って弱水流・ネットで
洗濯でさらに留まりにくくなることも
水や脱水で悪化することも
高温・長時間のつけ置きは避ける
内部やインソールの劣化も考える
汚れの種類で、洗い方を変えていた
売り場では、汚れの種類によって伝える洗い方を変えていたんだ。
- 泥・ほこり:乾いた状態でブラシをかけて大きな泥を落としてから、ぬるま湯と洗剤で手洗いする
- 皮脂・汗・黒ずみ:弱アルカリ性の洗剤(固形石けんやセスキ炭酸ソーダなど)を使い、ぬるま湯でやさしくブラシ洗いする
- 尿・排泄物:熱いお湯は汚れのタンパク質を固めてしまうので使わず、30〜40℃くらいのぬるま湯で洗う。においが残るときは、クエン酸水や酸素系漂白剤でのつけ置き、消毒用エタノールを使う方法も伝えていた
どの洗剤や薬剤も、素材によっては色落ちや傷みにつながることがある。使う前に、洗濯表示と取扱説明書を確認してほしい。
洗濯機(弱水流・手洗いコース)を活用する手順と、事前に確認したい注意点
- インソール(中敷き)は外して別で洗う。乾燥時間を早められ、中敷きの裏もしっかり洗える。
- マジックテープ(面ファスナー)は”閉じた状態”で洗濯ネットへ。開けたままだと糸くずが詰まり、粘着力が低下しやすくなる傾向があるんだ。
- 泥は乾いてからブラシで大きく落としてから、弱水流(手洗い・ドライコースなど)で。洗剤は中性洗剤を少なめに。

洗いやすい靴と、洗濯機は避けたい靴
洗えるかどうかは、素材と作りを見て判断していたよ。
- 洗いやすい靴:布(キャンバス)やメッシュ、合成繊維のもので、縫い目がしっかりしていて、面ファスナーの留まりが弱っていないもの
- 洗濯機は避けたい靴:本革・スエード・ヌバックなどの革のもの/靴底が接着剤だけで付いている合成皮革の靴(水や脱水の衝撃ではがれることがある)/発泡素材の靴底を使った、とても軽い靴(脱水のねじれで形が崩れることがある)/金具や反射材、面ファスナーの傷みが進んでいるもの
最後は、靴の洗濯表示と取扱説明書の指示に従ってくれよな。
洗っても乾くと戻りやすい「尿臭」には、クエン酸でのつけ置きが選択肢
尿のニオイのもとはアンモニア(アルカリ性)。普通の洗剤だけでは落ちにくいことがある。そこで、酸性のクエン酸でアプローチするのがひとつの選択肢さ。
ぬるま湯にクエン酸を数グラム溶かし、30分〜1時間ほどつけ置きしてから洗うと、ニオイがやわらぐことがあるんだな。
クエン酸を使ったあとは、成分が残らないようによくすすいで、風通しのよい日陰でしっかり乾かすのが、靴を長持ちさせるコツさ。
【明日朝の送迎に合わせる】靴を傷めにくい「乾燥方法」のヒント
コインランドリーなどの高温乾燥機は避けておく
介護靴に使われている接着剤は、熱に弱い傾向があるんだ。コインランドリーなどの高温乾燥機にかけると、ソール(靴底)が剥がれたり、変形したりするケースがある。急ぎたい気持ちはわかるけれど、ここは避けておくのが無難さ。
脱水の工夫:バスタオルに包んで「短時間」だけ洗濯機脱水
水気が多いと、当然なかなか乾かない。そこで、乾いたバスタオルで靴を包み、ネットに入れて30秒〜1分ほど洗濯機で脱水にかけると、水気がぐっと減って乾きが早くなる。
布団乾燥機(低温・衣類モード)や扇風機を活用する
温風が強すぎない布団乾燥機の衣類乾燥モードや、扇風機の風を直接当てる方法なら、生地への負担を抑えつつ乾燥時間を短くしやすい。靴の中に丸めた新聞紙やキッチンペーパーを入れておくと、内部の水分も吸ってくれるぞ。
靴専用の乾燥機を使えば、内部から効率よく乾かしやすい。低温・送風タイプなら接着部への負担も抑えやすく、雨の日や朝までに乾かしたいときの選択肢になる。

🕵️ TOCHI現場メモ
乾かすときにお伝えしていたのは、風通しのよい日陰で干すこと、中敷きは外して別に乾かすこと、靴の中に新聞紙やキッチンペーパーを詰めて、湿ってきたら何度か入れ替えることです。
お客様からよく伺ったのは、次のようなお話でした。
- 日なたに干して、生地が変色したり、ゴムや合成皮革にひびが入った
- 早く乾かそうとドライヤーや乾燥機の熱を当てて、靴底がゆがんで履けなくなった
- 乾ききる前に履いて、においやカビが出てしまった
【お洗濯のついでに】インソールを外したときにチェックしたい、靴の劣化のサイン
マジックテープの留まり具合や、かかとの状態を確認する
せっかく靴を触る機会だから、洗うついでに10秒だけ状態を見てあげよう。チェックは2か所でいい。
- マジックテープ:留まりにくく、すぐ浮いてくるようになっていないか。
- かかと:かかとの芯が折れて、グニャグニャになっていないか。
こうした状態になると、歩行が不安定になることがある。足元がぐらついて、リハビリの妨げになったり、擦れによる皮膚トラブルにつながったりすることもあるんだな。
売り場で、洗うより買い替えを提案していたのは、こんな状態だ。
- 靴底のかかとや外側が大きくすり減ったり、形が変わったりしている(つまずきにつながるおそれがある)
- 面ファスナーの留まりが弱く、歩いている途中で外れてしまう
- 生地の破れや縫い目のほつれで、足に当たる感じが変わっている(靴擦れの原因になることがある)
- 靴底がぼろぼろと崩れる、または硬くなって滑りやすくなっている
とはいえ今夜は、気づいた範囲で”へえ”と覚えておけば十分。本格的な傷み・寿命の見極めは、週末など落ち着いた時間に、介護シューズの寿命と買い替えサインで一緒に確認していこう。
【負担軽減の視点】「1足の指定靴」で回すことによる心理的負担を考える
施設やデイサービスから、汚れた靴が返却される背景
施設やデイから、靴がビニール袋に入れられて戻ってくる——私が見聞きした範囲では、週2〜3回通っている方で2週間〜1か月に1回くらい、失禁がある方や歩くときに介助が必要な方では週に1〜2回ほどだった。雨の日は、送迎のときの泥はねや濡れで、そのたびに持ち帰って洗うこともあったな。職員さんも、利用者さん全員分の靴を洗う時間まではなかなか取れない。つまりこれは誰かが悪いわけではなく、構造的に起きることなんだ。自分を責めなくて大丈夫さ。
予備の靴がないことで生じやすい、夜間の焦りとストレス
「明日までに乾かさないと、送迎に間に合わない」——この時間的なプレッシャーが、ただでさえ疲れている介護者から、心のゆとりを奪ってしまう。夜にひとりで洗面所で靴と格闘する、あの焦り。あれは本当にしんどいよな。
同じモデルの「色違い」など、2足で回すという選択肢

そこで負担軽減の視点として提案したいのが、2足ローテーションだ。全く違う安価な靴を予備にすると、履き心地の差で歩行バランスに影響することがある。だから、履き慣れた靴の「色違い」や同等品をもう1足用意しておくのがコツさ。
売り場でも、2足で回すことを勧めていた。理由は4つある。
- 洗ったあと乾かす時間がとれる。介護靴は厚手のものが多く、陰干しだと乾ききるまで1〜2日かかることもある
- 毎日同じ靴を履くと湿気が抜けにくく、においの原因になる
- デイや施設で急に汚れて戻ってきても、次の日の通所に困らない
- 交互に休ませることで、クッションや生地が長持ちしやすい
汚れた日は無理に洗わず予備に切り替えて、時間に余裕があるときにまとめて洗えばいい。「今夜中に乾かさなきゃ」という焦りから解放されるのが、いちばんのメリットなんだな。交互に履けば、1足あたりの消耗も抑えられる。何足そろえるか迷ったら、介護靴は何足必要?「1足で十分な人」と「洗い替えが安心な人」の違いも参考にしてみてくれよな。
予備の1足を選ぶときは、介護シューズはどこで売ってる?失敗しない購入ルートや、定番の介護靴とリハビリシューズの違いも参考にどうぞ。施設でも使いやすい定番モデルなら、まずはこの一足から見てみてもいい。
AmazonでダブルマジックⅢを見る👟 夜の焦りを減らす「予備の一足」
いちばん負担を減らせるのは、履き慣れた靴の色違いをもう1足そろえて2足ローテにすること。洗って乾かす間に予備を履けるので、「今夜中に乾かさなきゃ」という焦りから解放されます。
AmazonでダブルマジックⅢを見る※ 洗濯ネット・クエン酸・靴乾燥機は、上の「今夜やること早見表」のすぐ下にまとめています。

🔎 福祉グッズ探偵事務所・調査報告
【今回の案件:デイ前夜の介護靴お手入れ問題】
- お手入れの妥協ライン:洗濯表示を確認のうえ、マジックテープをしっかり閉じて「ネット+手洗いコース」を活用する選択肢も。
- 尿臭へのアプローチ:普通の洗剤で落ちにくい場合は、クエン酸水へのつけ置きが役立つことがあります(※素材への影響に注意)。
- 乾燥の注意点:高温の乾燥機はソールの剥がれにつながることがあるため避け、布団乾燥機(低温)や扇風機を利用するのが比較的安全です。
探偵からのひと言:もしお手入れ中に靴の強い傷みに気づいたら、それは買い替えを検討するひとつの目安。でも今夜は無理をせず、できる範囲で整えて、まずはゆっくり休んでくださいね。
まとめ|今夜はできる範囲でお手入れをして、まずはゆっくり休みましょう
今夜を乗り切るお手入れのヒントを振り返っておこう。洗濯機は洗濯表示を確認のうえ自己責任で・マジックテープは閉じてネットへ。尿臭にはクエン酸つけ置きがひとつの選択肢。乾燥は高温乾燥機は避け、タオル脱水+布団乾燥機(低温)や扇風機で。そして、心に余裕を持つために2足ローテも検討してみてほしい。
完璧を目指さなくて大丈夫。今夜はできる範囲で整えたら、あなた自身も、まずはゆっくり休んでくださいね。



✍️ この記事を書いた人
福祉グッズ探偵 TOCHI
- 福祉用具専門相談員
- 福祉用具プランナー
- 住環境コーディネーター2級
- おむつフィッター2級
福祉用具の現場で17年、のべ1万件以上のご相談に向き合ってきました。介護靴や歩行補助用品だけでなく、手すり・住まいの安全対策・排泄ケアまで、ご家庭で本当に役立つ福祉用具選びをお手伝いしてきました。
「親のために何を選べばいいか分からない」
そんなご家族の不安に寄り添い、カタログには載らない現場の本音を分かりやすくお伝えします。

